ほっとちょこれーと *【完】

wish


「………。」


部活の途中

あたしは1人で部室にいる。

去年の部活動日誌がロッカーの上にあるから

とりたい

とりたいんだけど

脚立持ってこようか、背伸びしようか

悩むな~

あのダンボールなんかかなり重そうだし

ドシャってなったら厄介だよなぁ

うーん


「………え?」


悩みまくってると、ひょいって後ろから手が伸びてきた。



「はい」

「あ…ありがと」



颯斗だった。



「悩んでないですぐ呼べよな~」


優しいなぁ


「助かる ありがとね」



あたしは部活動日誌を取り出す。


「何に使うの?」



颯斗が覗き込んでくる。



「あぁ 去年の練習試合の記録みたいって藍田先生に頼まれてたの」



あの人いきなりやる気になったもんでねぇ。



「ふーん」



パラパラと日誌をめくる。

颯斗は去年から先輩たちに混ざって試合に出てたから

懐かしかろうに…



「なぁ 心結」

「ん~?」



他にも何かないかなってダンボールをあさる。



「……やっぱいい」

「言いかけたなら言ってよ」


気になるじゃんか。



「練習戻るわ」



颯斗は部活動日誌を机に置いて部室から出て行った。

ん?

てかなんで部室来たんだろ。
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