恋愛メロディー
【ピンポーン】

「あっ。来た。杏里ちゃんと挨拶するのよ?」

「わかってるよ。」


「こんにちは。杏里ちゃんだっけ?」

何か声が若い感じがするのは気のせいだよね。

顔を見ると、30前半の人が5歳くらいの男の子を抱っこしている。

何この人子持じゃん。しかも、お母さんより絶対若いし。

「杏里挨拶して。」

「杏里です。」

私は何がなんだかわからない。

「杏里お母さんね、この人と再婚する事に決めたの。」


嘘だ。 この人と家族になるなんて…。

絶対無理。一緒に住む事なんて出来るわけないじゃん。
何考えてるんだろう。

「杏里ちゃん、よろしくね。」

「いつから一緒に住むんですか?」

「今日からよ。杏里に気に入ってもらって良かった。嫌って言ったら、どうしようかと話してたのよ。」

二人とも笑い合ってる。
私は喜べない。

やっぱりお父さんは一人だ。
< 16 / 23 >

この作品をシェア

pagetop