「屋敷の中に居れば安全だろう」

小太郎はそう言うと、少し出掛けてくると言い残して居なくなった。


…暇だなぁ。


ぼうっと頬杖をつきながら、庭を見つめていた。
おはるたちは夕食の支度が忙しいようで、なんだか声を掛けられなかった。
他の女中や小姓たちもみな、自分達の仕事を一生懸命こなしていた。

「暇だなぁー…」

そう呟き、幸姫がごろんと廊下に寝そべった。

「………」

と、丁度上から自分の顔を覗き込む人物が居た。
屋敷では見かけたことのない人物。
明らかに不審者と呼べるような存在だ。

「……えっと?どちら様で?」

幸姫は軽くパニックになり、寝そべったままで問いかける。

「うーん。似てるんだよなぁー」

相手は幸姫の問いかけには答えずに、ぽりぽりと頬をかく。

「名前、なんてーの?」

「は?」

突然名前を聞かれて、キョトンとする幸姫。
相手はけらけらと笑いながらもう一度聞いてきた。

「名前。お嬢さん、なんてお名前?」


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