「んー!いい天気!」

大きく背伸びをして、私は目の前に広がる自然を眺めていた。

「ねぇ、本当に私もついてきちゃってよかったの?」

少しだけ遠慮がちに言うと、母・玲子はくすくすと笑って答えた。

「いいに決まってるでしょう?遠慮なんてしなくていいの」

「えへへ…ありがとう」

今日は母の仕事仲間の人たちと、ちょっとしたプチ旅行で、宮城の仙台までやってきている。

「それにしてもホンと、戦国時代が好きだよねー」

からかう様に言うと、玲子は少しだけ苦笑した。

「そう、ね。でも、好きっていうのとは少し違うのかも知れないけど」

「え?」

「…そろそろ、ちゃんと話してもいいのかもね」

いつもと少しだけ違う雰囲気の玲子に、幸姫は首を傾げた。

「そうね。帰ったら話したげる」

にっこりと笑う玲子に、幸姫は変なの、と呟いて側を流れている川を見つめていた。

美しい緑が残された、すばらしい場所。木々の合間をぬって差し込む陽の光は暖かくて、とても心地がよかった。

少し進んだところに、大きな滝が見えてきた。

「すっごーい…」

はぁ、と感嘆の声を漏らしながら、幸姫は滝へと近寄った。

と、そのときだった。
1人の男の子が、じっと滝つぼを見つめているのが見えた。傍には他にだれもいない。


…危ない、よね。
子供が1人、あんなところで。


そう思って、男の子の側へと駆け出した瞬間だった。

「危ない!」


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