直紀side



仕事を終えて奈津の元に向かう車の中。

何度も奈津の携帯に電話しても繋がらない。


何かあったのか?


不安に思った俺は、店の駐車場に車を停めると、入れ違いに中西の車が出て行くのが見えた。


まだいたのか…中西は。アイツも頑張るな。


そんな事を考えながら閉店後の店内に向かうと、奈津の姿はどこにもなかった。


休憩室にでもいるのか?


俺は、持ってきた紙袋の中に入っている赤のカクテルドレスを着た奈津の姿を想像しながら


休憩室に向かい、ドアを開けた。



「奈津。お待たせ」



すると、ビクンと体を強ばらせながら、奈津が俺の顔を見た。


「どうした?奈津。少し、目が赤いけど。もしかして、泣いていたのか?」