君となら墜ちてもいいよ?
君となら墜ちてもいいよ?
桜のつぼみが膨らみ始める頃、腰まであった黒い髪を短く切った。


愛しい君との“誓い”を隠す為に―――……


「ルナ、似合ってる。アクアマリンの透き通る碧が、ルナの綺麗な心を映してるみたい…」


「やだっ…くすぐったいよ」


拓海が、アクアマリンのピアスをしている、耳たぶをそっと舌でなぞる。


くすぐったくて、でも心地良いような変な感じ。


君は高校三年生になり、私は高校の先生になる。


君との出会いは、母校である高校に、教育実習生として行った時―――……


「はじめまして、今日から二週間、皆さんと共に学ばせて頂く、谷川 瑠那です。よろしくお願いします」


教育実習初日、緊張しながらも、言葉を間違えずに皆に挨拶をする事が出来た。


お辞儀をして、頭を上げた時、ふと目に入ったのは、君の姿。


一番後ろの席からヒラヒラと手を振り、微笑みをくれた。



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