修学旅行★幼なじみと甘いキス
「D組の高橋は欠席、と」

「!!
…い、いいいいます!先生!ここにいます!」


独り言のように言い、出席名簿へチェックを入れようとした先生に

わたしは急いで手をあげ、必死に挙手をしてみせる。


授業に遅れてきた上
しかも堂々とよそ見までして


先生からは
「入学早々たるんでるぞ!」と激しく一喝され、恥ずかしい思いをしたものの

今回は初日ということで、なんとか大目に見てもらうことができた。



「えー、今日は体力テストを行う。
配られた紙を持って、各自向こうへ移動」



思わずホッとため息をはいたのもつかの間


今も校庭のド真ん中で、サッカーをしている男子たちとは反対に

女子は全員、今日は体力テストをするらしく


配られた測定表を手に、ぞろぞろとみんなが歩いて移動する中

わたしも立ち上がって、あさみちゃんたちと木影のある場所へと向かう。


「加奈子、だいじょうぶ??」

「うん。平気。教えてくれてありがと」


途中、あさみちゃんが気を使ってくれて、わたしはニコッと笑い返す。


このとき、男子たちのいる近くを何気なく通り過ぎたけど

翔のことはもう、見ないことにした。


「……はぁ」


危ない危ない。


翔に気を取られて、遅刻扱いどころか
危うく欠席になるところだった…。
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