修学旅行★幼なじみと甘いキス

◆離さない手



わたしの気持ちは一向に晴れないまま


それでもこくこくと時計の針は進み、とうとう放課後の時間をむかえた。




「皆さん、まずは入学おめでとう。
わたしは今回、修学旅行の進行や指導等を担当させて頂く小崎(オザキ)と言います」



そう言って、今日のミーティングで使う資料を片手に抱えながら

女性の小崎先生は、キレイに頭をさげた。



――その日の放課後、A組からF組までの各実行委員が

ミーティング用に集められた場所は、生徒会議室。



室内の奥には大きなホワイトボードが置かれ


真ん中には
横に伸びた、細長いテーブルを
みんなで囲うようにして座る、銀のパイプ椅子がキレイに並べられていた。



その図を前に

わたしのおでこを、イヤな冷や汗が浮かぶ。



……なんだか、イヤな予感…。
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