「真田さん、ロビーに相模さんがお待ちです」

「わかった。すぐ下りる」

打ち合わせから戻った途端にかけられた声に小さくため息をついた。
急に決まったフランスへの出張のせいで、前倒しせざるを得ない仕事の量は半端じゃない。
毎晩の残業で見通しはついたとはいえ、なかなかきつい。

相模さんにもわざわざ出向いてもらわなきゃいけないほどに時間に追われる毎日…。

はぁ…。

せめて透子を連れて行く事ができたなら、気持ちも全く違ってるんだけどな。

俺と離れる一週間、あいつは何を考えて過ごすんだろう。
俺の事が大好きで、側にいる事だけで幸せそうに笑うあいつ以上に。

俺も透子を愛してるんだけど。
そんな俺の気持ちをよそに、ここ半年少しずつ積み重なる不安。

不意に見せる寂しそうな視線に気づいてないとでも思ってるのか…?

透子も仕事が忙しい。
なかなか平日ゆっくり話もできない中でも、透子の変化くらいすぐに気づくさ。

…フランスに行く前にしなきゃいけない第一の確認事項は透子の秘密だ…。

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溺愛  社会人  切ない  恋人  甘い  両想い 

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