【完】トリプルスレット
1試合目 着火
「心空!お願い!1年だけ…今度の総体まででいいの!バスケ部に入って!」


私の目の前で、パンと両手を合わせて頭を下げているのは、親友の滝沢友梨(たきさわゆり)。


「随分見計らってからお願いしたもんだね」


私は落ちていくような、重いため息をついた。

久しぶりに誘われた休日デート。

久々に来た大好きな喫茶店、ブルーナイン。


テーブルの上には、空になった巨大パフェの器。


おかしいと思ったんだ。

いつも割り勘の友梨が、急におごってくれるなんてさ。

私は、ナプキンで口を拭いながら、じっとりとした瞳で友梨を見つめた。


「だめ?かな?」


私に負けじと、ウルウルした瞳で見つめ返してくる友梨。






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