いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「ん」

「…え?なに?」

「やるよ」


ずいっと目の前に差し出された。

二つに分けたせいで、焼きそばがパンからでろーんとはみ出している。麺だから切れにくかったんだろう。パンも潰れてるし。


き、きたない…。


「あ、ありがと…」

いらない、とは言えず、苦笑いを返しながら受け取った。

久世玲人なりの優しさだろう…。うかつなことはできない。

……こわいから。




「あ、おいしい」

「そ?」

久世玲人からおすそ分けしてもらった焼きそばパンは、意外にもおいしかった。

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