眠れない君へ、提灯を贈る。

夜を照らす提灯になる、そして朝は必ず来るから

「………なぁ、昨日何の夢見たんだ?」


朝になって、ご飯を食べる妹に聞いた。


泣いていたことも、嘘みたいに。妹は笑う。


「………にーちゃ、おぼえてない?」


首を傾げる妹に、僕は小さく頷いた。


夢は、やっぱり夢だから。僕は子どもだけど、夢を全部覚えてる程、子どもじゃない。
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