人殺しの暴き

姉の死

姉が死んだ。

死んだ姉を見つけたのは母だった。

結婚式の当日、時間にうるさい姉が全く来ず心配になった母が見に行くと変わり果てた姉が居た。

「カリン…」

たくさんの友達や親族が私を心配して声をかけてくれる。
私はそれに力なく笑って返した。

私は望月 カリナの妹…カリン。

髪が長く美人の姉とは対象的に短くカットにた髪にボーイッシュな外見。

『カリンは私と似てるんだから、髪を伸ばした方がいいと思うわ。
それに!もっと女の子らしい格好をしなさい!』

10歳年上の姉は、私の第2の母と言っても良いほどだった。

私が2歳の時に病死した父に代わり毎日遅くまで働く母。
母が帰ってくるまで何年間も姉は私の面倒を見てくれていた。

「カリナぁ…!」

「母さん…」

咽び泣く母の肩を抱き私も静かに泣いた。

本当は泣き叫びたかった。
だがそうもいかない。

母が何も手につかないほど落ち込み、そして泣いていたから。

せめて私だけでもしっかりしなければ…と思った。

「それでは、最後のお別れです。」

係員が業務的に慣れた手つきで棺を閉める。

姉の綺麗な顔を見るのは最後…。
そう思うとまた涙が溢れた。
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