依存～愛しいキミの手～
｢カラオケ行こう!｣


学校が終わり、帰り支度をしていると満面の笑みを浮かべながらゆきがやって来た。


｢ごめん今日用事あるんだ｣


顔の前で手を合わせ謝ると、ゆきは残念そうに肩を落とした。


｢最近あすか付き合い悪いよね…｣


ふてくされたような口調で言うゆきに、一瞬真顔に戻ったがすぐにまた作り笑いを浮かべ謝った。


家に帰り、塾の友達で暇な子がいないか誘うが、さすが週末。みんな予定が入っていた。


｢仕方ないかぁー｣


誰に言うわけでもなく、ピッチをベッドに放り投げ私服に着替え部屋のドアを開けた。


｢また夜遊び!?｣


洗濯を回していた母親と目が合い、小言を言われる。


｢違ーよ!歯医者行くんだよ!｣


確かに歯医者は本当。でもそのまま遊びに行くつもり。


｢あんた中3になったんだからいい加減真面目にしなさいよ!｣


そう怒る口調とは裏腹に、洗濯物をカゴに詰め込み態度は適当だった。
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