gangな恋
花火が終わって、私達は帰りのバスに揺られていた。
そんな中、私はまだ花火の余韻に浸っていた。
「はぁ…もっと見たかったなぁ……」
「…また一緒に行こうな」
「え?」
「見たいんだろ?花火」
またいつもの様に和弥は微笑んだ。
「和弥がどうしてもって言うなら、一緒に行ってやってもいいけど?」
「ははっ、強情〜」
今日は和弥がやけに笑うんだ。
でも――
学校でもヘラヘラ笑ってるけど、学校での笑顔とは何かが違う。
それは私だけに向けられた笑顔だからなのか――
よく分かんねぇけど、今日の和弥はいつもと違って、本当に調子が狂う。
その日は「暗いから」と家まで送ってもらった。
別に一人で帰れるんだけど――
こういうとこは紳士的なんだよな。