『大好きだったよ。』



その言葉が現在進行形から過去形になってることに、君は気づいただろうか。



胸いっぱいに香る彼の柑橘類の香水が、私のワイシャツに染み付いてしまうぐらい、私は彼の細い腰に腕を巻きつけた。



「…俺も。

美奈のこと大好き。」



別れ際の定番になっていた愛の告白も、今日で終わることになるなんて、彼は微塵も思っていないだろう。



きっと、この日々がずっと続いていくと、彼は思いこんでいるはずだ。



――私だって、そのつもりだった。