愛しいわがまま。


――――――――――

――――………


店を回り続けて何時間か。

遥にはお詫びにアイスをおごってもらって
なんだかんだ、私は満足。



"そろそろ帰ろうか"って
駅に向かっていた頃だ。




―――〜♪〜♪



鳴ったのは遥の携帯。


「?」


遥のポケットから出された携帯に目を向ければ、不意に画面の文字が目に入る。




―――……"亜梨紗"


「…ごめん凌、ちょっと待ってて」


私が笑顔で頷くと、遥は少し困ったような表情で私と距離を置き電話に出る。



「…、どした?」

「…は?―…じかよ…熱?」


亜梨紗ちゃん熱があるの?


「―……〜病院行けよ
…は? …弘樹は?…、
……分かった。 ―…ら行くから。」


一緒に病院行くの?



「………」

ところどころ会話が聞こえたおかげで私は状況を理解した。


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