この涙が枯れるまで
~第二章・やきもち~
『俺今日メールしてみる』
この和樹の言葉が離れない…
和樹はメールしたのかな?
百合とどういうメールしたのかな?
すごく気になる。
和樹に連絡すればいい事なのに、そんな事言ったら怪しまれそうだから、やめた。
明日和樹から何を聞くのだろう。
明日百合はどんな事を思うのだろう
そんな事を思いながら眠りについた…
~♪
携帯の目覚ましが鳴り響く…
いつもと同じ朝。
でもホントは全然違う朝だったんだ。
いつものように支度して、家を出る。
いつもと同じバスに乗り、
いつもと同じ時間に学校に着く。
そしていつもと同じようにクラスに向かった…
―ガラガラ・・・
相変わらず変わらないドアの音。
『おっすー優』
朝からハイテンションの歩だ。
歩は沙紀と一緒にいた。
百合はまだ来てないみたい…
『鈴木君昨日はどうだった?』
『……うん』
僕の表情が一気に曇り出す、
『どうした?』
歩達に言えなかった。
沙紀は百合に聞くかもしれない、歩は沙紀に聞くかもしれない…
でも多分それはまだ先の事。
今じゃない。
今は言えない…ごめんな、歩、沙紀。
弱虫で…。
すると、後ろから、『おはよー』と元気で明るい声が聞こえた。
この声は、百合だ。
僕は顔を下に向けた。
『百合おはよ』
『沙紀、斉藤君、鈴木君おはよ』
『おはようさん』
歩は普通に百合に挨拶うぃ返す。
『……おはよ』
僕は小さい声で挨拶をした。