チャンピオン【完】

9※ハグミー





Q太郎が「『俺の秘密』に関して報告せよ」と煩いので、昼休みに机を寄せ合った私たち。

話を聞いたQ太郎は、興奮していた。


「暗い過去はイケメンの条件だよ!! 私、そういうのテレビで見た!!
くぅ! そんな彼氏いいなぁ〜」

それは間違った情報だ。

イケメンの条件は、女子にモテること。

プロレスファンの男に人気があるなんて、方向が真逆。


「よくないよ、彼氏じゃないよ。しかもイケメンじゃなくてガチムチ兄貴だよ!!」

私は最後に残しておいたハート型の玉子焼きを口に放り込んで合掌した。

玉子焼きはお砂糖入りに限る。

そこんとこ兄貴は良くわかっている。



「イケメンていえばさぁ~、了くんのクラスのモデルのしげるんいるじゃん?
この前お話しちゃった」

「マジで!? 私にも紹介して!!」

「チャラい。それほどでもなかった」

「な、何様だよ、詩... あんた、男出来たからって調子こいてる... 」

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