桜空
守りたい

――城を抜け出してしばらく経った



城は今頃大騒ぎになっていることだろう



でも今の私にはそんなことは頭の片隅にもない。



ただ空に会いたい。



ただそれだけ………



「はぁっ、はぁっ…」



私は息切れしながら城下町を後にする。



空がいつもいる草原まであと少し…



「なぁ、ちょっとそこの姉ちゃん!!」



私は後ろから声をかけられ振り返った。



「………何??」



そこにいたのはガラの悪い若い悪党の集団だった。
5、6人はいる。



「けっこう可愛いじゃん♪ちょっと一緒にいいことしねーかぁ〜?」



その中の1人の男が私の肩を掴んできた。



「無礼者!!!」



私は咄嗟にその手を掴み、ねじり込んだ。



「いってぇ〜!!なんだこの女…」



男は不機嫌そうに言った。
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