傷だらけのラブレター
03:宛先不明のラブレター




『…えっ?』




視界が、固まる。



目の前にはとても可愛らしい、背の小さめの女の子。



栗色の髪が後ろでハーフアップにされていて、

“守ってあげたくなる子”、そんな言葉がピッタリ。




『えっと…。』




言葉が喉の奥に突っかかって、うまく声にならない感覚。



焦点が合わない視界は、私の動揺っぷりを表しているんだと思う。




…なんか、この子苦手だ。



引きつけられるような、逃げ場がなくなるような、不思議な感覚に襲われるんだもん。



< 66 / 459 >

この作品をシェア

pagetop