トライアングル・ラブストーリー


俺は居ても立ってもいられず、2人のもとへ駆け出した


斎藤のことなど全く気にせず、いかにも今来たかのように原田に話しかけた


原田は斎藤に声をかけるとすぐさま俺の手を取って、外へと歩き出した


声をかけても全く振り向かない原田


やっと振り向いてくれた原田に「どうかしたのか」と聞いても何も答えてはくれなかった


でも俺には分かったんだ


またこいつの闇が深くなっている、と…


だから強引にも俺の家へ連れて行き、事情を聞きだそうとした


でもまさか泣かせてしまうなんて……


そんなつもりじゃなかったのに……


どうしても我慢出来なかった


「好き」って言葉が今にも溢れ出しそうで


だからあの時つい言ってしまったんだ


でもあの時俺がもう少し我慢していれば、あんなことにならずにすんだのに……


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