ケーキ屋のあなた




「そうだな…、俺は一旦家に帰ろうかな」


伊勢崎は買ったケーキを少し持ち上げて言った




「…じゃあ俺も、寄りたい所があるから今日は外すな」


「原田もか…まぁ、目的も果たしたし、ここらで解散とするか」


「東谷は今日、暇だったら俺ん家に寄るか?」


昨日の今日だけど、暇だし行っちゃお


「行く!」





そして、各々と解散しのびのびとした月日が過ぎた


俺は名笹田さんに会いに、ほぼ毎日店に通って

いつのまにか今年が終わった


正月には結局実家には帰らず
ケーキを郵便で送った



おいしいケーキ屋が見つかったから食べてみて

というメッセージ付きで



実家にケーキが届いたころ、すぐさま家から電話がきた

熱でもひいたの?

と失礼な言葉だった






正月は3日までは開いていなかった

まぁ、大体の店は開いていないんだけどな


その時にでも、実家に帰ればよかったけど・・・
うん、はっきり言ってめんどくさい



正月は伊勢崎ん家にのりこんで泊まったりして、時を過ごしていた



そういった日がのんびりと続いて

今は、もう3月下旬になってしまった



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