オレンジ色の校舎





───────次の日。



カーテンを閉め忘れた窓から差し込む眩しい光に起こされた。ゆっくりと体を起こす。



「んー…、あ!!お風呂入ってないやっ!!」



昨日の格好のままだと気づき、慌てて飛び跳ねた。…早く入ろ。そう思って立ち上がった時、



「…ん?メール?」



ケータイがチカチカ光っていた。あたしは欠伸をしながら、受信ボックスを開いた。



「…………う、うそぉ」




──────────
From:朱希

今日は相手ありがと。
これからもよろしく。
──────────




受信した時間を見ると、昨日あたしが寝ついた時間だった。せ…瀬川くん、『朱希』って登録してるよ。



ダメだ。あたし、『瀬川くん』で慣れてるから…『朱希』なんてまだ無理だよ。



あたしは震える手を必死に動かしながら、『朱希』を『瀬川くん』に書きかえた。






< 29 / 574 >

この作品をシェア

pagetop