【改正版】好きと言わせて...。
「ねぇ、愛ちゃん。話聞いてる?」




「ごめん。なんだっけ?」




監督達の方を見ていたあたしは、話を全然聞いてなかった。




「もー!だから、白雪姫と王子様の衣装はこれでいいかな?って聞いたの。」




そう言って写真を指差すのは、なっちゃん。あたしと同じ衣装係で裁縫が得意な子。




なっちゃんが指差した写真集に目を向ける。




白雪姫はパウダーピンクの歩く度に裾がフワッてしそうなドレス。胸元にはレースがあしらってあってとても可愛い。



王子様は上下黒色のビシっとした学ランのような衣装にローズの鮮やかな赤いマント。




「可愛いし、かっこいい。あたし、これがいい!」





「本当?じゃあみんな賛成ってことで白雪姫と王子様の衣装は決定。帰ったら予約入れとくね。」




そう言ってなっちゃんは、写真集をしまった。




白雪姫と王子様の衣装は、衣装屋に借りることにしていた。作るのが大変だし、生地を買ったりするのにすごいお金がかかる。ってなっちゃんが言ってた。




他の衣装はあたし達、衣装係が頑張って造るんだ。





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