Frist time
第2章


入学式から1ヶ月が経ち、俺はかなりの友達が出来ていた。

もちろん、亮とは相変わらずだし、宏とは入学式以来かなり仲がよくなっていた。
行動するときはいつも3人一緒で、部活が始まるまでは大抵この3人か、誰かが加わるという具合だった。
こいつらといるのが1番落ち着くし、楽だった。
まあ宏と亮といるせいで、3人でいるとすごく視線が集まるんだけどな。困ったことに。




ある日の昼休み。みんなでご飯を食べていた時に、クラスの男子数人が中庭で固まって話している数人の女子を指差して、

「おい!あの子見てみ!
超可愛くね?」


と興奮した声をあげた。なに言ってんの、ばかじゃね?なんて宏と亮とげらげら笑ってた。
そいつのことをきっかけに、周りでは一気に恋の話に火がつき始めて。
そういうのに興味のない俺にとってはなかなか嫌な状況になってしまった。

こういうのを嫌がらないのはもちろん亮で。


「入学してしばらく経つけど、いい子いないなあー」


と自販機で買ってきたパックのジュースを加えてつまんなそうな顔をした。


「俺ら部活も忙しいし、別に急がなくてよくね?」


普段こういう話題を避ける俺なりのフォローのつもりだった。亮は俺の言葉にまあそうなんだけどと、不貞腐れながらも納得はしているようだ。
こんなときは頼れる宏になんとかしてほしいと思い宏に目を向けてみると、宏は俺らの話なんか聞いてなくて、窓越しの空を見上げてた。



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