どくたぁ&なぁす☆

2人の彼

すらっとした長身に



小犬みたいな、栗色の瞳。



髪の毛は瞳と同じ、栗色で――――





「あ、あたしは・・・
 今日からここで働くことになった、
 美月儚(みつきはかな)ですっ・・・。」



眩しいっ



眩しいよぉ~~(泣)



彼の綺麗な顔を直視することができなくて



下を向いたまま、ごにょごにょとしゃべる。



「へぇー、儚って珍しい名前だね。
 オレは葵永久(あおいとわ)。ヨロシク。」



「あ・・・よろしくお願いします」



そう言うと、葵くんは



人懐っこそうな笑顔を見せてくれた。



ドキンッ―――――



・・・・え?





その胸の高鳴りは・・・



嵐のような恋の



ハジマリだった――――――――








「あのっ・・・」



「んー?」



「ここの病院、他に誰もいないんですか?」



1番気になっていたことを



聞いてみた。





あたしが前にいた病院は、



かなり大きい総合病院だった。



そのせいか、みんながいることに慣れてしまって



ここがとても寂しく感じる。



「あー・・・もう1人いるよ」



「え!そうなんですか!」



「―――――オレの双子の弟」





カランカランッ・・・



「ちーっす」





葵くんは、今ドアを開けて入ってきた



〝彼〟を指さして言った。
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