俺様生徒の甘いくちづけ
・アイツが救世主!?

───────────・・・


「美桜、お疲れ様!今日は2人で飲むよ~~」


「うんっ!佳奈もお疲れさまっ!」


向かい合って座り、手に持っていたグラスでカンパイをする。


「こうやって、2人で会ってるとまだ大学生な気分にならない?」


「その気持ち、わかるっ!!あたし、まだ自分が先生になった気がしないもん」


「あたしも美桜と同じだよ。自分が社会人になったなんてまだ信じられない。って言うか、1カ月前まであたし達、大学生だったんだよねー」


仕事帰りに佳奈の部屋でチューハイを飲んで1日の疲れを癒す。


佳奈とは大学で知り合い、同じ教育学部だった。


卒業後、あたしは高校の先生になり、佳奈は今、とある商社に勤めている。いわゆるフツーのOLさんだ。


「学校の方はもう慣れた?」


「うーん。まだ慣れないことだらけかな」


「今の学校って、先生も生徒も大変そうだもんねー」


“生徒も大変そう…”


佳奈のそのセリフですぐに思い浮かんできた人物は……。




アイツ…五十嵐 悠真だった。




あの日、廊下で出会った日から、あたしはなぜか五十嵐くんに毎日、振り回されてばかり。


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