俺様生徒の甘いくちづけ
・恋のお試し期間
───────────・・・


熱を出した次の日の朝。




「きっ、き…昨日はどうもありがとう」



マンションからバス停に着くまでの間、何度もお礼を言う練習をした。


って言うか、あたし、かみすぎ!


昨日、熱を出してだるかった体は嘘みたいに1日で回復していた。



きっと、それは彼のおかげで──・・・



あっ、バスがやって来た!


きっと五十嵐くんはこのバスに乗ってるはず。


速まる鼓動を押えながら、バスに乗り込み…中にいる人達の顔をくるっと見渡した。



「……えっ、なんで」



だけど、探していた彼の姿はそこになくて



『ありがとう』を伝えることは……できなかったんだ。


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