だからこそ、キミは。



「あはは、爽の奴、男子にいじられてる~。」

「可愛いんだけどっ!」




私の所属するグループの中心の梨花が、爽くんを見て楽しそうに高い声をあげる。

その声に共感して笑うのが、紗耶香。



今は休み時間で、グループの人たちとお喋りをしているところ。



「本当、爽って可愛いよね~。彼氏にしたーい!」

『……。』




キャキャッと声をあげて笑う梨花の言葉を黙って聞き流しながら、私は静かに愛想笑いをする。




…グループは、嫌い。梨花たちは、苦手。


4月に席が前後で仲良くなったけど、どうも合わない気がする。



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