さよなら、片思い【完】
彼と彼の片思い
ベッドに寝転びながら手帳に付けた赤丸を眺める時間が増えた。


それは来週、わたしと上原くんが付き合い始めてちょうど1年目の日。


その日は絶対に空けておいてーーー


上原くんからそう言われたのはつい先日の話。


どうやら上原くんがプランを練ってくれているようで、今回のデートはどこで何をするのかは全く聞かされていない。


わたしの誕生日のときは愛と希望がコンセプトの遊園地でお泊まりデート。


ホワイトデーは上原くんが慣れない料理で必死にわたしをもてなしてくれた。


全部ぜんぶ、上原くんが由香里さんにしてあげいことをわたしにしているだけだけど、


それでも、彼からの愛を感じてしまうわたしはもうすでに重症だ。


わたしからも1年記念日のプレゼントは用意してある。


百貨店で男性店員さんに相談して決めた、老舗ブランドの腕時計。


飽きのこない上品でシックなデザインで、上原くんに似合うと思い一目惚れ。


いつもの感謝を込めて、


そして、これからの時間も貴方と過ごしていきたいと


ほのかな願いも添えて。
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