ヘタレは大人しくヘタれてろ
ヘタレ吸血鬼



「涼ちゃん…血、飲んでいい?」



放課後の教室。
ふたりきりの空間であたしはクラスメートの男子に迫られている。


迫られているとか言うと、甘い展開を期待するかもしれないけど、残念ながらその期待には応えられない。


「断る」


何でかと言うとそいつは吸血鬼だから。


あ、一応言っておくけどあたしがおかしいわけじゃ無いんですよ。


そろそろ高校生も残り少ないこの時期。中二病は卒業済みです。


「そんなあ…」


涙目になるそいつ。



「はいはいごめんね。帰るよ」

「……うん」







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