ずっとあなたが好きでした
松井くんがまたカラーガードの皆で集まろうと提案し、皆で集まる事になった。

また行こうか行かまいか散々悩んだけど、俊也に会いたくてたまらなくなり、参加する事にした。

俊也は彼女と別れていた。

皆が

「あんなに仲良かったのに何で?」

と騒ぎ始めた。

私も気になってしょうがなかった。

俊也は言った。

「自分が好きになって付き合った訳じゃなくて、前に好きだった子に何となく似ていたから、告白されて付き合ってみた。美加は良い子だったけど、好きっていう感じとは違った。付き合っていて、好きになった時期もあったけど、結局愛想を尽かされた。」

俊也は私の方を見ていた。

伊藤くんが

「おい、矢田!」

と言った。

皆がまた騒ぎ始めた。

「え?どういう事?」

「何?香?」

「香?矢吹くんの事好きだったの?」

「嘘?香と矢吹くん、そんな関係だったの?」

「えーー?」

私は恥ずかしくて、その空気に耐えられなくなり、店を飛び出して帰ってしまった。

頭が真っ白だった。

何が何だかさっぱり分からなかった。

落ち着きを取り戻し、皆に謝罪のメールをし、これからの事を考えた。

でも、俊也は美加ちゃんと本当はやり直したいのかもしれない…。

別れたからといって、私の入り込む余地はないんじゃないかな?

悩んでいた時、伊藤くんから電話がかかってきた。

「お前、せっかくのチャンスを…馬鹿だな。そうそう、俺さ、またあっこと念願叶ってやり直す事になったから!矢田も頑張れって!矢吹、美加ちゃんの事はとっくに吹っ切れてるみたいだぜ!頑張れよ!」

と応援してくれた。

私は悩んだ。

今までにない位悩んだ。

さんざん悩み、俊也に気持ちを伝える事に決めた。

俊也にメールで

「さっきは急にごめんなさい。矢吹くんに話したい事があります。今度会えないかな?」

と送ったら、

「良いよ。明後日は?」

と返してくれた。



< 66 / 100 >

この作品をシェア

pagetop