「塾で同じクラスになれなかったからおかしいと思っていたら、私と同じクラスだって聞いてビックリして…、でも前々から何となく気付いてたって。倉本くんの視線があかねちゃんの方には向いてないって分かっちゃってたみたい」



「でもさ〜」






いきなり復活して立ち上がったあゆが、私に向かって口を開いた。






「何であかねちゃん、倉本のコトなんて好きになったの?アイツ…、ミステリアス過ぎて、何考えてるか全然分かんないし…」



「私も聞いたんだけど、会話が楽しかったって言ってた。2年でクラス離れて、しゃべる機会が減って寂しいなって思ってたみたい」



「あのケンカのような下らない会話が楽しかったのか…。聞いてみなきゃ分かんないもんだね、ホントに」






あゆは深く息を吐いた後、教室の前の壁に掛けてある時計を見た。






「あっ、もうすぐ次の授業か。次は……HR?体育祭の種目決めるんだったね。またこの季節が始まるね〜」



「去年柚は手を挙げなかったから希望してない障害物競争走ったんでしょ?だったら私が手を挙げたら一緒に挙げてよ。この後ろの席からだったら、私の様子も分かるでしょ?」