引っ込み思案な恋心。-2nd





「あっ、映美佳」



「あれ?ななっぺ???どうして柚と……」



「映美佳は?どうして靴箱にいるの?」






靴箱にたどり着くと、そこに座り込んでいた映美佳の姿を見つけた。





私と同じく映美佳を見つけたななっぺが、私達の姿に驚いて立ち上がった映美佳に話し掛けていた。







「柚が瀬川と話すって言うから…。仲直りできたらこっそり帰ろうと思ってたけど、もしもの時のために残ってたんだ」



「…その『もしも』が起こっちゃったみたいだよ。瀬川、松沢さんと帰っちゃったみたい」



「えっ!?ウソ?何で?」



「映美佳ぁ……」






また涙が出てきた。





私はただ、映美佳に抱きつくことしかできなかった。









苦しいよ。



どうしていいか、分かんないよ。







「分かったから。とにかく帰ろう、柚。いつも折りたたみの傘持ってるよね?」



「うん…」



「じゃあ…、ここから映美佳に柚をお願いしてもいいかな?私、家が反対方向だから……」



「まかせて!柚は必ず家に届けるから」



「ごめんね。私もすごく心苦しいんだけど…」



「いいよ。それより柚を見つけてくれてありがとね」



「…柚。私、二人と同じクラスだし、出来る限り調べてみるよ。きっと瀬川にも事情があるんだと思う。……今はそう信じたいから」



「ありがと、ななっぺ…」







そのままななっぺと別れて、私は映美佳と一緒に帰った。






映美佳はそれ以上私に事情を聞いてくることもなく、ただただ私の肩をしっかりと抱いてくれていた。








…これからどうなってしまうのか想像すらつかない私は、ただ映美佳にすがりつくしかなかった。













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