引っ込み思案な恋心。-2nd
05☆Crossing hearts

―――――
――










「瀬川…、勉強会参加しないって」



「え?マジで?場所…、どうしよう?」



「…つーか、何で俺まで呼び出されてんだよ?」






ショックで泣き続けても状況は何も変わることなく──





期末テスト1週間前となった。






部活は休みとなり、拓以外の勉強会のメンバーが放課後に2組の教室に集合した。





そこには嫌々ながら教室に残った倉本くんの姿も。






「倉本、何か瀬川のコト知らないわけ?何で最近松沢さんと絡んでるかとかさぁー」



「知るか、そんなの」



「マジで使えなーい」






あかねちゃんにそう言われた倉本くんは一瞬カチンときたみたいだったけど、深いため息をついた後、携帯電話をいじり始めた。






「しかもいつの間にか倉本、ケータイ持ってんじゃん!マジで腹立たしいし!!」



「まあまああかねちゃん…。とにかく場所考えないと。当面は2組の教室で勉強する?担任に聞いてみないと分かんないけど…」






映美佳があかねちゃんを抑えながらそう提案すると、私とあゆとななっぺも軽くうなずいた。






「そだね。それがダメなら……、倉本ん家?」



「はぁっ!?絶対来んなよ、お前ら!」






いきなりあゆに話を振られた倉本くんは、断固拒否の怒りの表情を見せた。






「あははっ!マジで倉本の顔面白いし!!まあココがダメなら図書室ってとこかな」



「うん。あまり大きな声で教え合ったりできないのがキツイところだけど…、仕方ないね」






ななっぺもあゆの提案に同調して、私の方を見てきた。






「でも…、まだ瀬川と柚が話せない状態なんて。一体どうなってるの?瀬川と松沢さんの距離は近付く一方だし…」






ななっぺ以上に、私が一番聞きたいことだよ。





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