恋のＷボランチ
ドリブル
桜ヶ丘ゎどこにでもあるような、県立高校だ。

ほとんどの生徒が進学希望で、部活動もそれなりにやっているが、全国大会に出るような強豪クラブはない。

サッカー部もそれにもれず、何年か前に県大会でベスト８に進出したのが、最高成績である。

なので、ほとんどの部員は「青春の思い出作り」でサッカーをやっているが、二人だけは違うようである。

そうエースとキャプテンだけは、もう一回り大きな野望のようなものを持って、サッカーをしている。


考えてみると、亮太と修平は幼なじみで、中学の頃から同じチームでプレーしていて、性格ゎ真逆だがお互いの事をよく知っている。

亮太ゎ他の選手には「自分にパスを集めろ」だの「もっと速く走れ」だの何かと注文をつけているが、修平には不思議と何も言わない。

そして、修平も「しっかりマークしろ」だの「守備の時には素早く戻れ」だの指示を出すが、亮太には言ってるのを見たことがない。


二人ゎまるで長年連れ添った熟年夫婦のように、何も言わなくてもお互いの気持ちを理解している、そんな関係なのかも知れない。



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