イジワル王太子と政略結婚!?

大切な人*sideシーナ

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眠れない夜を過ごして、三日目の朝が来た。


一度小屋へ戻った時、ちょうどリリィは寝ていたから話はできなかった。


リリィのことを想いながら、朝日が光る池を眺める。



『おはよう、王子様。ご機嫌いかが?』


頭の上の方から高い声がして、見上げるとウィンクルが飛んでいた。



「おはよう。機嫌は…まぁそこそこかな」

『あらっ、何かあった?』

「んー…ちょっとね。ウィンクルはもう朝の日課は終わったの?」


彼女は毎朝、あの花々のために歌を歌うのが日課らしい。

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