白銀の女神 紅の王Ⅱ
「ニーナ、なんで返事をするんですか!」
「だって…反射的に……」
ウィルの一喝にしゅんとしおれるニーナ。
二人とも中庭を横断したらしく、衣服のあちらこちらに葉がついていた。
一方のエレナはと言うと――――
「え?えっ……?」
ニーナとウィルの突然の登場に混乱している。
それに気づいた二人が申し訳なさそうな顔で口を開いた。
「エレナ様すみません…」
「お二人の様子が気になって。」
頭を深々と下げて謝るニーナと、一応は悪気を感じているような笑みを浮かべて謝るウィル。
「い、いつからそこに?」
腕の中のエレナがプルプルと震える。
だんだんと顔が上気し、頬が赤くなっている。
「えっと……最初から…」
言いにくそうにつぶやかれた言葉に、エレナの限界が超えた。
「ッ……シルバのばかっ!」
真っ赤な顔をして俺に抱き着くエレナ。
言葉と行動が相まってない。
羞恥に染まる顔をニーナとウィルの視線から逃げるように俺の胸へ埋める。