恋人ごっこ



 あの後、散々夏樹先輩と明日美さんに謝られた。

 夏樹先輩のあたしへの行為は文哉に対する嫌がらせだったらしい。



 あたしは結局、夏樹先輩を許してしまった。
 先輩の行為は明日美さんを愛するが故のものだったから・・・




 二人がなんとかまとまったのを確認して、あたしと文哉は先輩の家を出た。












 「唯、あのさ・・・」



 とぼとぼ歩いていると突然沈黙は破られた。



 「な、なに?」


 まともな会話が始まる。
 安堵と不安が同時に一気に押し寄せてくる。




 「ちゃんと話すから聞いてほしい」



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