天使のキス。
ママはあたしの目の前にいるし――…


パパは視界の隅でちょこちょこ走り回っているし――…


えっ!?
いったい、誰っ!?


ブワっと音がしそうなほどの勢いで振り向いた先――…


「はぁ?
悠っ!?
なんでっ!?」


悠がにこにこっと笑いながら、あたしの頬に指をあてた。


「ばぁか。
何驚いてんだ。
オレが帰ってくる家は、ここしかないだろ?」


…はい?


いや、あの、その…


あのぉ、悠くん?


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