My best friend
抱えるもの




翌日。


ひーからメールがあった。


【無事病院から帰還しました!まだ完全復活じゃないから、今日も学校休むね!】


「ひー……」


そんなに悪い病気なの?ひー。


あの時聞いてしまった言葉が、頭の中でリフレインする。


“手術の成功率は30%”


“手術をしてもしなくても死ぬ”


ひーときちんと話したわけじゃないから、あたしの勘違いもあるかもしれない。


でも……嘘でもない、あの様子から見て。


やっぱり、ちゃんと話したい。
話してほしい。


ひー、学校には行かないけど家にはいるんだよね。


あたしはメールを打った。


【ひー、話があるの。学校終わったら、ひーの家行っていい?】


数分と経たずに返信が来た。



【うん、わかった!待ってるね】



ちゃんと聞こう。すべて。


ひー、あたしはどんなことを聞かされようとも、現実を受け止めるから。




「俺も行く!!」


学校に着いて、高村くんに今日ひーと会うことを伝えた。


すると、必死な顔で「俺も中里のとこ行く」なんて言い出した。



< 237 / 323 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop