砂漠に堕ちた天使 番外編

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扉が叩かれ、莉世は大きく深呼吸してからイスから立ち上がった。



開けるとハサート王子が立っていた。



莉世の姿を見ると、瞳を熱く輝かせる。



「とても美しい その衣装にして正解だ」



莉世の右手を持ち上げ唇をあてる。



「ハサート様、わたしがこのような姿で殿方の前に出ることが嫌ではないのですか?」



愛しているのならば、こんな破廉恥な姿を他の男に見せたくないと思うだろう。



「いいえ、いいえ、美しい貴方を自慢したいのですよ 今日も見事に舞ってください 大切な客がいますから」



「大切なお客様?」



ジャダハールの大臣の名前を言うかと思い聞いてみる。



「ええ さあ行きましょう 早く貴方をお披露目したい」



ハサート王子は莉世の手を握りしめ歩き始めた。



ふたりの周りには護衛が数人いた。



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