だけど、俺は教師でお前は生徒
◆3◆揺らめいて
俺の思いが、彼女を追い詰めてしまったのか。



何度も自分のしたことを振り返って考えてみた。



本気で好きで、本気で愛してた。



彼女を好きになったことを、後悔だけはしたくなくて、



もういない彼女を責めることもしたくなくて、



あれから、ずっとずっと想い出の中に自分の気持ちを閉じ込めてきたつもり。



誰かを想い、誰かを愛する資格は俺にはないってね。



あれっきり俺に何も言わない兄貴。



兄貴もきっと彼女を忘れたくても、忘れられないんだろう。



それからの兄貴は必死なほどに、さらに仕事に打ち込んでいた。



そして、自分から志願して海外勤務となった。


< 45 / 117 >

この作品をシェア

pagetop