『買い食い禁止だ』

そう言って、反省文の10枚でも書かせてやろうか。
……そんなに書く事があるとは思えないけど。


そう思っていたのに、
益田はスプーンで氷を掬い、
それを俺に突き出し、こう言った。


「暑いですよね、一口食べます?」


冷たい飲み物を用意していると言っても、
家から持ってきたマグの中身はすでに空。

職員室の冷蔵庫にも、
氷と麦茶が入っている。
だけど、大体作り途中の物だ。


涼をとるにはちょっと物足りない。


だから、

……正直、食べたい。


いやいや、でもな。



顔には出さずに葛藤していると、
スプーンは益田の口の中に。


……旨そうに食べるな、コイツ。