I LOVE YOUが聴きたくて
復活
冬が過ぎ去ろうとしていた。


三月。~卒業~


~仰げば 尊し~

皆、涙しながら歌う。

楽しかった学校生活。

辛かった学校生活


苦しかった試験勉強。

友達と喧嘩をした日

仲直りをした日

意気投合した日


恋をした日

泣いた悲しみ

泣いた喜び

………


それぞれに、いろんなことを思い出しながら、高校の三年間を振り返りながら歌う。

今は良き思い出を、思い出し、泣きながら……。


~卒業おめでとう~

~卒業おめでとうございます~

いろんな声が、学校中で、飛び交っていた。

女子の後輩から女子の先輩へ、敬意の花束を渡したり、はたまた、女子の後輩から男子の先輩へ花束を渡して、はにかんだり。

或いは、男子の後輩から女子の先輩へ花束を渡したりして、微笑ましい光景も。

綾も、後輩たちから、花束を貰っていた。

「綾~」

クラスメイトの泉が、綾を呼びながら駆けてきた。

「あ、泉~」


「卒業おめでとう~」

「泉も、卒業おめでとう~」

「わぁー、沢山貰ったねぇ」

綾の持っている花束を見て、泉が目を見開いて言う。

「泉も、沢山貰ってるじゃん」

「まぁね。それにしても、凄いよ、見て」

泉は、そう言って、指さした。

綾は、泉の指さした方を辿る。


クラスメイトの笠原 修が、女子たちに囲まれ、花束を貰ったり、写真を撮られたり、はたまた、サインや好きな言葉を書かされたり。

学ランのボタンは、全てなくなっていた。


「モテモテねぇ」


「ホント。凄いね」


綾と泉は、顔を見合わせて、感心した。

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