法螺吹きテラー
5.長い首
「なあ佐野君、こんな話を知ってるか?」
「はい、俺は終わりましたよ。
交代です。次は先輩どうぞ」
また始まりそうになった先輩の話を遮り、
腹筋・背筋の交代を促した。
さすがに、しながらは話さないだろう。
そう思った俺は、甘かった。
「あのな、夕方に教室でっ、
うたたねを、していた、生徒がっ……」
途切れ途切れながら、
先輩の口は止まらない
俺は先輩の足を押さえながら、
やっぱり怪談話を聞く事になってしまった