群青ホームラン
0THE Lie 偽りの青たち




あれから数ヶ月が経って、俺は高校2年生になった。

クラス替えもあったけど、竹田とはまた同じクラスになって俺の生活はさほど変化していない。


少しだけ厄介だと思うことは後輩ができたこと。俺のことを知っている一年の女子に声をかけられたり、言い寄られたり。


「冴木先輩!今日調理実習でクッキー焼いたんですけど貰って下さい……!」


今日もまた一年の女に呼び止められてしまった。前の俺だったら完全にシカトするところなんだけど、最近の断り方はこれ。


「俺、彼女いるから」

そう言うと大抵の女は諦めるんだけど、声をかけられる数は少なくなってない。


「いいよなー。俺も後輩にモテたい。クッキー貰って下さいとか言われてーよ」

四限目が終わり昼休み、竹田がいつもの調子でぼやいていた。


「まあ、冴木にはなっちゃんがいるしな」

竹田はそんな言葉を付け足す。


青木とはあれから上手くいっている。 

上手くいってると言っても俺たちの関係性はそんなに変わってなくて、お互いの呼び方さえ変わってない。


「でもさ、なっちゃん焼きもちとか妬かないの?」

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