君を探して
私は泣きながら、

<好きだよ、オレ様>

と書いた。


だけど、その言葉は“オレ”に届くことがないまま、涙で曇った私の視界の中で消えていった。


『削除』ボタンを押しながら、私は涙を拭いた。


どうしても、この気持ちを伝えたい。

“オレ様”が望むように、生身の“オレ様”に。


私は返事を返さずに、そのまま携帯を閉じた。






翌日目を覚ますと、新着メールが届いていた。

メールは“オレ”から。

そこには昨日話した数学の応用問題の解き方と答えが丁寧に書かれていた。

そして最後に

<ちゃんと自分で復習しておくように!>

だって……。

もーう。
律儀なんだから……。


そんなことされたら、朝から涙腺がゆるんで大変だよ……。
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