君を探して
4.オレ様、発見!

予兆

「えーっ! あのメール、見てなかったの?」

チョコの声は大きい。

だから、そんな大声出したら“オレ”にも聞こえるってば。

まぁ、聞かれてもいいんだけどね……。

「なんだぁ。あんなに気合い入れたのにがっかりだよね!」

翌日の休み時間。

私はチョコに昨日の“オレ”からのメールのことを報告していた。

「携帯、教室に置いてたのかな?」

「それにしても、夜までメール放置とか、ありえないでしょ!」

チョコはうーん、と考えた。

「ねぇ、深月。ちょっとメール見せてもらっていい?」

「え?」

「メール見れば、そのなかにヒントがあるかも知れないし……あ、イヤならいいんだよ!」

チョコは遠慮がちにそう言った。

「ううん……いいよ」

私は、“オレ”からのメールがたくさん保存されている受信フォルダを開いて、携帯ごとチョコに渡した。

「ありがとー。ちょっとしか見ないからね」

「うん。……なんか、照れくさいけど」

チョコが私の携帯をのぞく。

私も、チョコに顔を近づけて、2人で携帯の画面を見つめた。
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